2017年12月26日火曜日

【平和主義】こそが、日本の最たる宝!!



年末!

宿は今日まではけっこう空いていますが、明日からの一週間はメチャ混みの予定なので、これが今年最後の更新です。 皆さま今年も一年、YAWP! backpackerへのご愛顧を、どうもありがとうございました!!


僕はこのブログ、平均月3本ペースで行きまっしょい、となんとなく決めておりますので、昨年も今年も、きっちり年間で36本です。来年も、ネタがなくなったり熱が冷めたり宿が潰れたりしないかぎりは、きっと36本です(笑)。



今年の僕は、いろいろなことがありましたが、大きな変化は無く。宿の運営面でも僕のプライベート面でも、特に目立つニュースのない、いたって地味な一年でした。全国区のテレビ番組で、醜い裸を晒したくらいかなぁ。あ、久しぶりの海外、タイ旅もしたっけ。どちらも前の冬の出来事なので、ずいぶん昔の感じがしますが。

淡々とした毎日ながらも、それなりに楽しく過ごしていましたが、まぁ、人生ってそんなもんですよね(おそらく皆さんも)。友人と飲んでも、お互いに近況ニュースなんて全くないもんなぁ。

相変わらず、ゲスト以外の方との新しい出会い(一緒に飲むほどの仲になる)がゼロだったのは、残念でしたが。それもまぁ、人生。すっかりアラフォーになりましたが、僕には「いつまでも若々しくアクティブに」という意欲は無く、年相応にいい感じに枯れてやろう、という思惑ですので、そんな地味な毎日とも上手く付き合おうと思います。



というわけで、僕のまわりではそんな感じでしたが、一方で世界の情勢としては、昨年同様に、激動の一年だったと言えます。トランプがアメリカ大統領選挙で勝ったのは昨年ですが、実際に大統領に就任したのは今年の一月です。そして、僕だけでなく多くの人々が危惧していた通りに、彼はこの一年間、見事に世界中を混乱させまくってくれました。


選挙中はあくまでパフォーマンスで、就任後には少しはマトモになり、それなりのバランス感覚をもってくれるのではないかと、僕はちょっとだけ期待していたんですけどねぇ。その期待は見事に、泡と消えました。あんな人が任期まであと三年も権力を持ち続けるというのは、世界の危機と言ってもいいレベルです。アメリカの常識ある方々に、できるだけ早く弾劾してほしいのですが、しかしあまり急ぐと暴走する危険性があり。本当に、厄介。使うことも捨てることもできず、処理のしようがなく災いをまき散らすのみの、核廃棄物みたいなもんです。


この一年間、トランプの功罪の“功”は、皆無といっていいです。もはや僕はトランプを、“ただの見栄っ張りな、無知で無能な厄介者の爺さん”としか見ていません。彼を評価する人がいるのだとしたら、どこが良いのか詳しく教えてほしいです。

内政面で、アメリカの景気がよくなったとか、株価が上がったとか、それらは事実としてありますが、そんなもんはたいした実績ではない。大企業が喜ぶ減税を実施した、それだけのことです。株価って、貧困層にはほとんど関係ないですし。失業率も、2008年のリーマンショック後にとんでもないことになっただけで、それからはずっと回復傾向にあり、別にトランプが大統領になってから大きく改善したというわけではない。

簡単に言うと、トランプの減税政策により、一部の金持ち連中がさらに儲けて、ますます金を転がしやすくなった。そうして富裕層がより多くの富を得た一方で、国としての経済成長はできていないので、一般の国民は何一つ恩恵を受けていない。要は表面をキレイに見せているだけの、ハリボテの景気回復なのです。ウチに来るアメリカ人ゲストで、「今のアメリカの景気はいいぜ〜」なんて言う人は、この一年で一人もいませんでしたよ。

しかしまぁ、僕は日本人なので、アメリカの景気がうんぬんは別にどうでもいいです(アメリカの景気の上下は、日本にも影響を及ぼしますけどね)。それよりも、何よりもトランプのダメな点、愚かで最悪なのは、外交の面です。


大統領選挙の際の、数々のトンチンカンな発言から推測するに、この人、外交は本当に何もわかっていない。世界情勢の知識に、著しく乏しいとしか思えない。おそらく、各国の関係性くらいは知っていると思いますが、これまた表面上の理解でしょう。世界各国、現地の人々の生の感覚、怒り、悲しみ、それらをわかっているとは到底思えない。そもそも、わかろうとしていない。


先日の、「イスラエルの首都をエルサレムと認定する」発言。あれがどれだけ危険なことかを、知らない時点で愚かすぎる。世界中の首脳陣から非難を浴びたのは当然のことで(安倍は沈黙したが)、事前にそれを予測できなかった時点で、大統領の資格無しです。


エルサレムの問題、イスラエルとパレスチナの領土争いは、双方で完全に相譲れなくなっており、事実上の棚上げだったわけです。いわばジェンガの最終局面のような状態で、触れば崩れるのです。戦争になるわけです。

しかし、ここしばらくは大きな混乱はなかったのです。もしかしたらこのジェンガは、少しずつ根が張り、触っても簡単には崩れないようになり、平和への糸口が見つかるかもしれない・・・と世界中が期待していたタイミングで、いきなり横から金髪の爺さんがそれをブチ壊した。


トランプのこの発言で喜んでいるのは、いまだに「エルサレムは俺らの聖地だから、外者は出て行け」と主張する、ユダヤ教原理主義の者だけです。イスラエルでも、パレスチナでも、ほとんどの国民は平和を望んでいます。双方の相譲れない主張を理解し、どうやって平和的な落としどころをつけるべきか、模索しています。戦争をして、人を殺しまくって、一方を追放して自分たちだけが幸せになろう、という考えの者は、ほんのごくわずかです。トランプのこの発言には、僕のイスラエル人の友人も、とても怒っています。彼らのこれまでの、平和へ向けての地道な努力を、踏みにじるような愚行なのです。

ユダヤ教でもイスラム教でもそうなのですが、この、一部の極端な原理主義の者々の、簡単に言うと「俺らの宗教ってサイコー!他の宗教は認めない!」の価値観って、ほんと厄介なんですよ! イスラエルとパレスチナは、過去に何度も和平交渉を試みていますが、それが最も実現に近づいた1995年、和平に向けて尽力していたイスラエルのラビン首相は、暗殺されてしまいました。犯人は、元々敵対関係だったパレスチナ人ではなく、なんと、身内のはずのイスラエル人です。平和の実現、「お互いに50ー50で今後は仲良くしよう!」の約束が、ユダヤ過激派による「100ー0しか認めん!」の凶行で、あっさりと崩壊。犯人の青年からすると、ラビンの和平交渉は、神への冒涜なのだそうで。


これは無宗教的な思想が浸透した日本では理解しがたいことですが、世界の一部の者には、平和への祈念をはるかに上回る、宗教的な私念があります。戦争をしようが何をしようが、自分ら以外の価値観は認めないし、全ての者々がそれに従うのが、世界のあるべき姿、という思想です。悲しいことに、世界中の全ての人々が、世界の安定、平和を求めているわけではないのです。

実際にテロ等を起こす末端の過激な者々だけでなく、イスラエルやアメリカの支配層の中にもそういう思想の者がいるのは知っていますが、そんな狭い、ごく一部の極右の原理主義者だけを喜ばせる発言をしちゃうトランプは、愚かだとしか言い様が無いです。いろいろなスキャンダルが発覚して狼狽えた彼が、支持率回復のために言った、と分析するジャーナリストの方は多いですが。1人を喜ばせる一方で99人の怒りを買っているのでは、支持率はますます暴落すると思いますけどねぇ。なんで、その程度のこともわからないのでしょうか?

彼が「エルサレムを首都と認定する」発言のスピーチの中で直接言っていた、「これまでの政権はこの問題を棚上げにして来た」「しかし、俺は違う」。要は「こんなデリケートな問題にも手を突っ込める俺は、決断力がある!」とアピールしたいだけで、その結果がどうなるとかまでを、考えられる脳がないんですね。う〜ん、ダメだこりゃ。


そして、北朝鮮の問題。これまた、オバマがあえて触れずにいたこの問題に積極的に首を突っ込むことによる、「俺ってすごいでしょ」アピールなのでしょう。いたずらに危機を煽り、緊張関係を増大させ、その一方で日本や韓国には「あいつら危ないから、もっともっとアメリカ産の兵器を買えよ」。この構図、ビジネスマンとしては優秀と言えるのかもしれませんが、これはこんなあからさまなマッチポンプに振り回され、ホイホイと向こうの言い値で買ってしまう、日本政府がバカすぎるだけです。



僕は以前、常々、疑問に思っていたこととして、「なんでアメリカと日本の主従関係は、双方共に政権が変わろうが時代が変わろうが、ガッチリ固定で揺るぎないのだろう?」というのがありまして。アメリカのリベラル層が、なぜにこの不平等に気付かないのかと。歴代の大統領が、なぜにこの問題に全く触れないのかと。・・これは僕は、いろいろな本を読んで、僕なりに腑に落ちました。


簡単に言うと日本は、アメリカ“政府”の犬なのではなく、アメリカ“軍”の犬なのです。第二次大戦後、日本で大きな権力を維持し続けているのは、アメリカ軍なのです。アメリカは、政府=軍ではなく、別個の大きな権力中枢なのです。

アメリカ軍は、日本の国土、どこにでも基地を作る権利をいまだに有しており、日本の空域の多くでは、アメリカ軍の許可無しでは航空機を飛ばせない。また、アメリカ軍は治外法権を有し、軍人が犯罪を犯しても日本では裁けない。

それどころか、日本の自衛隊は、完全にアメリカ軍のコントロール下におり、有事の際に独自の判断では動けない。そして僕が一番驚いたのは、今後・・ではなく現時点ですでに、というか第二次大戦後はずっと、

アメリカ軍は自衛隊に戦争への参加を強要する権利を持つ一方で、アメリカ軍が日本を守るという明確な約束は、存在していない

ということ。


つまり極端にいうと、そもそも最初から自衛隊はアメリカ軍の一部であり、彼らによって好き放題にできる存在。これは要するに、日本は事実上、アメリカに自治権を奪われたままだということです。第二次大戦から70年以上が経ちますが、その意味では日本は、いまだに独立国家ではないのです。


しかし、これまでの日本は、憲法9条を根拠に、戦争への参加を拒否し続けてきました。アメリカ軍の首脳陣もバカじゃないですから、日本を無理矢理に戦争に巻き込むことが、日本の国民感情の上でどれだけのマイナスを生むかを、理解していたことでしょう。なので、なんとか日本はこれまで、戦争と距離を置き続けることができました。

逆に言うと、アメリカはこの“日本は戦争しないよ”状態を、変えるタイミングをずっと模索し続けていたわけです。そして僕の感覚では、「それがついに来たな・・」というのがここ数年の、安保改正や共謀罪等の、一連の流れです。そうとも知らずに、北朝鮮のミサイルがどうのこうのと危機感を煽られ、多くの国民が「参戦、止むなし!」な気分になっており。世論の誘導に大成功、まさにアメリカの思うつぼで、彼らは笑いが止まらないことでしょう。

北朝鮮が日本を攻撃できるミサイルを完成させたのは、はるか昔のことですよ。北朝鮮は、これまでも定期的に、何度もミサイル実験を敢行していますよ。なのになぜ最近になって、日本で戦争への機運が高まるのでしょうか? 北朝鮮が挑発を繰り返すようになったのは、トランプ政権になってからですよ。日本も韓国も北朝鮮も、アメリカに踊らされているとしか、僕には思えないんですけどねぇ。


日本が戦争に参加するのなら、これまでアメリカ軍の駐留を許して来た、沖縄をはじめとする人々の、70年の苦しみはいったいなんだったのでしょうか? 日本を戦争できる国にしようってんなら、犯罪しまくりで墜落しまくりで迷惑だらけのあんたらは、もう出て行ってくれよ、となるのは至極真っ当でフェアーな感覚だと思いますが。僕らはこれまでずっと、ヒドい目にあわされて来た、しかしそれは「日本は戦争をしない!」のポリシーを貫くためだと、我慢して来た。しかしそのポリシーが破壊されるのであれば、損得のバランスも崩壊しますから、そもそもの前提から変えないとおかしいですよね。


アメリカと日本の主従関係における、最後の砦、日本人としての究極のプライドは、「参戦だけは断固として拒否する!」だと思うのです。その意地すらなくなるのだとすれば、もはや日本は主従関係どころか、奴隷みたいなもんです。アメリカにやりたい放題やられても、意見は言えず、国益に全く関係なく、ただ命令に従うのみ。こんなの、まともな国家ではない。世界の恥です。



僕は世界を旅し、世界中の人々と接した経験があります。日本が平和国家として、世界中から尊敬を受けていることを知っています。一方で中東でも、僕はそれなりに現地の方々と仲良くなりましたが、彼らの認識では“原爆を受けた日本人は、今でもアメリカを憎んでいる”であり、敵の敵は友、という発想の上での好意でした。


日本がアメリカの言いなりになって、戦争に参加したあかつきには、これらの「日本は平和国家だ」という尊敬や、「日本はアメリカの仲間じゃないよね」的な認識を、すべて裏切ることになります。すさまじく失望されますよ。テロの標的になる可能性も、一気に高まります。


日本が戦争に参加することで、喜ぶのは一部のバカな国民と、アメリカだけです。世界中から、ガッカリされます。“平和主義を貫く”というプライドと、そこから受ける尊敬の念には、果てしなく大きな価値があるんだけどなぁ。それは先人達がこれまでずっと大切にして来た素晴らしい宝物なのに、なぜに、わざわざ手放すのでしょうか? 尊敬を失う、自衛隊員が死ぬ、ミサイルが降って来る、しかしアメリカ軍は今後も日本でやりたい放題。これでは、何一つメリットがないじゃないですか。


来年、2018年。僕にとっては宿がもちろん大切ですし、プライベートももっと充実させたいと思いますが、何よりも、世界が平和であってほしい。戦争が、起きないでほしい。起こさせないでほしい。

僕はただただ、切に、それを願います。


皆さま、よいお年を!!





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