2018年2月15日木曜日

民泊の未来に、“苦笑い”を見た!




ド深夜の更新! 早朝の、チャンピオンズ・リーグのビッグマッチ、レアル・マドリーvsパリSGを観るために、がんばって起き続けているのです(笑)!!



2月! ゲストが全然来ませ〜ん!!

さすがに、先週末〜の三連休期間中は毎日フルでしたけどね。それ以外は、なかなか悲しいことになっております。

この調子だと今月は、総泊数120&稼働42%程度に落ち着きそうです。よって二ヵ月連続の赤字は、ほぼ確定です。ほんと、まいっちゃう・・・。


しかしながら、3月の予約はすでにたくさんいただいておりまして。3月前半までを乗り切れば、長かったローシーズンもついに突破です。僕的には、宣言通りに2月25日〜3月8日までは冬休みをいただきますので、あと10日ほどで“さらばローシーズン!”の気分ですけどね。いろいろと溜まっておりますので、休み中は思いっきり、ノンビリ&遊びまくりますよ!!




さてさて、話は変わりまして。


先日、テレビ東京の番組「ガイアの夜明け」にて、民泊ビジネスが特集されておりました。僕は、夜10時〜は月曜「未来世紀ジパング」火曜「ガイアの夜明け」木曜「カンブリア宮殿」と、ほぼ毎晩のチョイスがテレ東です(水曜は「水曜日のダウンタウン」)。夜10時は仕事中なので、もちろん録画で、ですけどね。


今回の特集は、民泊が生むトラブルの問題についてはほんのチョロっとで、ほとんどは、これからの民泊のビジネス展開についてを伝えるものでした。

まず、最初にフォーカス(①)したのは外資系民泊サイトの“ホームアウェイ”。この会社は、今年6月の民泊新法の施行を見据え、マーケットのネクストターゲットを日本に定めているそうで。まずは伊勢志摩の別荘地に目をつけ、各家を周り「こんな豪邸をほとんど使っていないなんてもったいない! ぜひ、民泊に活用しましょう!!」と、ただ今絶賛・営業活動中とのこと。

次のフォーカス(②)は、同じく“ホームアウェイ”が仕掛ける、民泊のために用意した再生物件。閉鎖された古い民宿を買い取り、5000万円をかけて民泊用に大々的にリフォームしたとのこと。

そして最後のフォーカス(③)は、民泊予約サイト“ステイジャパン”を手がける日本の会社“百戦錬磨”さん。先日、大阪に“ボンホステル”という名の簡易宿をオープンしたそうで、そこの宿泊客に、日本全国の民泊を紹介&斡旋するのだ、とのことで。


この中で、僕が個人的に民泊ビジネスとしての将来性を感じたのは、①だけですね。伊勢志摩の別荘地に、魅力があるか無いかは僕にはわかりませんが、“そもそもは個人の別荘なので、基本的にはノーリスクである”と言えるからです。何もしなければゼロなものに、プラスを付随するorしないのケースなので、トラブルの面を除けば特に負の要素はないはずです。


一方で②のケースでは、物件の改装費に5000万円もの大金をかけております。つまりは、家主はビジネスとして本気になるべき必然性があり、少なくともこの投資額分は、元をとらなければいけません。強烈なマイナスからのスタートです。

この物件、一泊は8万8000円に設定するのだそうです。20人まで泊まれるので、すると一人あたりは4400円だとのことですが、民泊の顧客ターゲット層に、そんな大人数グループがいますかねぇ・・・。駅近なのはよさそうですが、正直、外装も内装もショボかったですし。民泊を利用するゲストの多くは、一人旅〜一家族でしょうから、仮に四人家族が泊まるとしても、一人あたり一泊2万2000円。これなら、高級ホテルに泊まれますし、ゲストはそちらを選ぶことでしょう。

しかしこのケース、年間で1500万円の売上げを想定しているそうです。1500÷8.8=170ですので、170日が埋まると読んでいるわけですね。民泊新法では年の営業可能日数は最大で180日までとされていますので、その内、170日は予約が入ると・・・って、んなこたぁ〜ない!! この物件&この価格では、この皮算用はポジティブすぎる、と言わざるを得ません。


さらには、③のケース。これには僕は、さらに凄まじい違和感を覚えました。件の大阪のホステルに泊まった一人旅の外国人バックパッカーに、スタッフが Iパッド片手に地方での民泊をプレゼン(この時点で僕はモヤモヤする)。彼がその提案に乗り、徳島の山奥の村まで移動。大阪の宿からその村まで、6時間半もかかったそうで。最寄り駅には民泊ホストの方(お婆さん)が、一人でお出迎え。駅から家までは、車で30分。大阪から、このお婆さんの家に着くまでに、なんと合計で7時間!!

そしてその家では、お婆さんが一生懸命に彼をおもてなし(一対一で!)。しかし英語は全く話せないので、民泊サイトの人からもらった指差し会話ペーパーを駆使して、彼とどうにかコミュニケーション。そして彼の出発の際には、なんと「息子と別れる気分」になってしまい、なにやらしんみり・・・。

この展開、僕は宿オーナーとしてではなくバックパッカー目線で見ましたが、いやぁ〜正直、これはキツい! 大阪で普通にホステルに泊まったらいきなりスタッフから民泊を薦められて、了承したらそこはすげぇ遠くて、やっとのことで着いたらホストは全く英語を話せず、しかしすごく積極的にもてなされる!! キツい! そして、重い!!

バックパッカー自身が、地方の村での民泊に興味があり、自分で能動的に選んでそうしたのなら素晴らしいと、僕は思うんですよ。しかし彼のこれは、受け身での行動ですからね。彼は、テレビでは「いい思い出になった」的なことを言っていましたが、僕にはどうしても、彼の笑顔は“苦笑い”に見え、心の底から楽しんでいるようには思えなかったです。


僕の個人的なバイアスの上で、ここであえてはっきり言い切りますが、バックパッカーというのは、多くは基本的に誰の干渉も受けずに、常に自由気ままでいたいものなのです。特別なおもてなしなどは求めておらず、できればなるべく放っておいてほしいのです。まともな会話が成立しないホストと、ずっと隣で一緒に過ごす空間は、すごくストレスです。ホストにはその親切心を、“世話を焼く”にではなく、“いい感じに放っておく”に使ってほしい!!


実は以前、僕も似たような状況を目の当たりにしたことがありまして。僕が近所のとあるレストランに夕食に行くと、隣のテーブルには、一人の日本人のおじさんと、一人の外国人青年が座っておりまして。

このおじさんは、英語はサッパリのようで、ひたすらに日本語で会話。というか「あ〜イエスタデイ? 仕事が忙しくて〜、電車ぁ〜トレイン?に乗り遅れそうになって〜」といった、単語だけ所々で英訳する典型的なダメダメ英会話で。相手の彼は、ひたすらキョトン。そんな、意志の全く通じ合わない、ほぼ一方通行な、とても聞き苦しいやりとりでして。

これ、その後もなんとなく勝手に耳に入ってきた内容から、このおじさんが民泊をしていて、外国人の彼はそのゲストなのだということがわかり。僕は本当に、この外国人青年が気の毒で、気の毒でしかたがなかったです。彼にとってのこの状況は、退屈極まりなかったことでしょうに・・・。


外国人バックパッカーを迎えるにあたっての、ホストの“英語は全く話せないけれど、懸命におもてなしをする”というスタンスは、かなりのギャンブルです。大きな幸せを生む可能性はありますが、ほとんどのゲストにとっては、それはストレスになります。もちろんこれはケース・バイ・ケースですが、ホストとしての最も適格なスタンスは、“英語をちゃんと話せて、その上で必要最低限(しかし抜かりのない)のサポートを心がける”です。“おもてなし”は、相手の気持ちをベースに置かないと、いとも簡単に“お節介”に変わります。


また、前述の③のケースではゲストがとても好青年だったので、ホストのお婆さんともいい感じにホッコリな関係が成立したようでしたが、それは、たまたまです。「民泊をする→ステキな外国人がたくさん来て彼らに喜んでもらって私も幸せ」は、常に繰り返されるわけではありません。もちろん、大多数は素晴らしいゲストたちですけどね。残念ながら、本当にムチャクチャで、やりたい放題のトラブルメーカーな者も、それなりの割合で来ます。

このお婆さんのケースでは、例えば「遠すぎる」といった理由で、駅で出迎えた時点ですでに不機嫌になっている者がいるかもしれません。あまりの遠さに、ノーショウ(行くのや〜めた)を選ぶ者もいるでしょうし、その場合はお婆さんは駅で待ちぼうけな上に、その他のおもてなし準備の苦労も、全てが水の泡となります。英語が話せないことで、ゲストの急な要望や予期せぬトラブルには、もちろん対処できません。ゲストがすごくいい人だったとしても、外国人の多くは非常にオシャベリですので、一方的な英語トークを延々と数時間も耐えなければいけないことだってあるでしょう。



ちなみに僕には、アメリカ人の親戚(いとこ姉妹)がおります。古い話ですが、僕の学生時代に、いとこ(姉の方)が現地のお友達ガールを連れて来日し、僕の実家に滞在したことがありまして。


その時、僕はたまたま少し風邪を引いており、それなりに咳をしていたのですが、お友達ガールは、そんな僕を見て明らかに不機嫌に。そして僕に対して、怒った感じでこう言って来たんですよ。

「私がバカンスで日本に来ている時に、風邪を引いているってどぉいうこと? 移されたくないから、私に近寄らないで」

と。これには特に、僕の母親が激怒していましたっけ(笑)。


これは、僕にとってはけっこう、外国人に対するファースト・インプレッションなんですよ。この出来事以前にも僕は何度もアメリカ訪問経験がありましたが、接していたのは親戚家族ばかりで、現地のリアル・アメリカ人と直接の関わりを持ったことは、ほぼ皆無でしたので。

それに対しては僕は、「えぇ〜っっっ!? 外国人って、ムチャクチャだ! 人ん家に来て、その家族を厄介者扱いにできるなんて、スゲェ!!」と、なんだか変な感じに受け取りました。日本と世界の、人々の性格、感覚の大きな違いを、そこで初めて感じ取りました。


もちろん僕は、そんな外国人たちの気質を批判したいわけではないです。日本人の中にだって、そういう人もいなくはないでしょうし。しかし怒りやワガママ等の諸々の発信の感覚は、日本人と外国人とでは、根本的に大きく違います。僕らは、その差異を広く理解する必要があります。


僕は若い頃から、たくさんの外国人と接し続けたことで、「そんなつまらんことで激怒すんのか〜い」「おいおい、俺に八つ当たりしてきたよ」「うわぁ、なんちゅう理不尽だよそれ」・・・な類いの“あるある”展開を、いつの間にか楽しめるようになっていた、ということです(笑)。この境地に達するには間違いなく、経験が必要です。



番組のあの、徳島の優しいお婆さんが、今後も民泊ビジネスを続け、外国人ゲストたちが起こすであろう数々のトラブルに耐え続けられるとは、僕には到底思えません。


民泊は、“小遣い稼ぎ”などといった軽い動機で始めていいものではありません。そこには、修羅の道が待っているのです(笑)。





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